聖林寺

安倍文珠院よりタクシーにて桜井駅に向かう途中、運転手さんに「ここまで来たら是非聖林寺の十一面観音像を見たほうが良い、来年はオリンピックに貸し出されるので、見られないよ」と勧められ、聖林寺へ。
たどり着くと、坂の上の小さなお寺、吹きさらしの階段を上がっていくと古びた鉄扉の収蔵庫の前にはだれもいない。
かってに開けて良いのだろうか? 不安の中で”ギギギイ”と力を込めて鉄扉を開けて中に入ると、ガラスに囲まれているが、日本のビーナスと呼ばれる十一面観音像が静かに佇んでいる。国宝がこんなに簡単に目の前で、それも独り占めできるなんて驚きです。

写真は撮れないので、この画像は受付にて絵葉書を購入しデジカメしました。
明治の廃仏毀釈の際、草むらに捨てられているのを、運良くフェノロサが発見しここに移されたと伝えられているが、いろいろな説があるようです。
周囲を気にせず、心が吸い込まれるように正面、左右と鑑賞し参拝していると、やっと一人の若い女性が徒歩できたらしく息を切らして鉄扉をあけた。
奈良観光の中心からちょっと離れた地域はこんなに心安らかに参拝できるのですね。
帰り際、静かに鉄扉を閉めて外を見まわすと、なんと桜じゅうたんの小路が裏山まで続いていました。

※ 収蔵庫(観音堂)については、国の補助も受けて2019年度から工事に取り掛かる予定とのことです。