日別アーカイブ: 2011-02-14

天使の囁き

今日もしんしんと雪が降っています。気温も下がってきています。昨日のテレビで日本の最低気温がマイナス41℃、明治時代に旭川市と報じていました。実は気象台ではありませんが、気象庁公認でマイナス41.2℃という記録があるのです。2月17日、ずっと北の町、モシリという小さな集落での35年前の記録です。
「モシリ」って、とっても素敵な名前ですね。アイヌ語で世界・国という意味です。でもそのモシリに、あまりにも寒さが続くものだから、テレビ局がやってきて、「焼酎も凍る!毎日が冷凍庫の世界、なんてひどいところだ」「飛んでいるスズメも寒さで落ちる」「嫁も来ない」と面白おかしく報じていました。
 ほんとうに「モシリ」はそんなひどいところなのでしょうか?素敵なところがないのでしょうか? 中学を卒業し10年が経ち若者達が戻ってきました。そして「モシリ」生まれの若者達が、「マイナス41.2℃の世界の素晴らしさ」を全国の皆さんに伝えたいとイベントを始めました。
マイナス41.2℃の世界はダイヤモンドダストが天使の羽のようにキラキラキラと空中に舞う一瞬、静寂の中に何かが聞こえてくる。「天使の囁き(ささやき)」のようだ。ということで札幌の雪祭りと併せて、毎年2月11日に、この記録を観測した北海道大学雨竜演習林、母子里研究所の施設にて「天使の囁きを聞く集い」を行うことになりました。この集いは今や全国的なものとなり毎年多くの若者が「天使の囁き」を聞こうと日本中からやってきます。ボランティアやNPOも参加するようになり、もう25年は続いています。
今年、「ぜひ来てください!」「体験したマイナス41.2℃の世界」「当時のモシリ地域の状況」「当時の時代背景を話して下さい」と講演のお誘いを受けました。もう35年も前のことなので大変恥ずかしいのです。でも、とても断れませんでした。
何時間も車を走らせ集合時間の午後5時、私が行くと既に宿舎のレイクハウスには全国から40名近くの方々がやってきていました。
ボランテイアで春よりここのワールドセンターを手伝っている関西弁の奈良の女性。仕事を終え今年も最終便で飛んできましたと、神奈川の女性。もう25年連続ですと、名古屋よりの男性、初めは沖縄からの参加だったそうです。秋に初めてきました、冬にまたやって来ましたと、綾小路きみまろのような、埼玉の農家のおじさん。ネットのブログを見てなんとなく、婚活を期待しているような都会の女の子たち。常連、新米ほんとうに仲良くなってしまいました。
夜にみんなで母子里のマイナス41.2度の記念モニュメントの前でダイヤモンドダストが表れるのを待ちました。気温はどんどん下がっていきます。氷で作ったのグラスにワインを入れて楽しんでいると、ライトアップされた白樺林に期待通りキラキラと舞うダイヤモンドダストが現れてきました。
みんな、静かに、祈るように「天使の囁き」を聞いています。
「じいっと」 「目を閉じて」 「耳を澄まして」「こころで聴く」・・・
ふと、いまの、自分自身をみつめている自分がいることに気づきました。
私にもみんなにも、天使の囁(ささやき)が聞こえたような気がしました。
「天使の囁き」とは、「本当の自分への気づき」ですよと、天使はささやいてくれました。

「大事なことに気づく」とささやいてくれた、ドロシーローノルトさんの有名な詩、ドロシーさんの囁き(ささやき)が私には聞こえてきます。皆さん方もお母さんや先生方より何回も聴いたことがあるでしょう。

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大事なことに気づく

「詩 ドロシー・ロー・ノルト /訳 石井千春」

自分に正直になったとき、大事なことに気づく
本気で何かをしているとき、大事なことに気づく
捨ててもいいと思ったとき、大事なことに気づく
変わってもいいと思ったとき、大事なことに気づく
少し待とうと思ったとき、大事なことに気づく
人に頼るのをやめたとき、大事なことに気づく
思いがけないところで、大事なことに気づく
思いがけない時に、大事なことに気づく
じっと見つめたとき、大事なことに気づく
じっと聞いたとき、大事なことに気づく
新しい人に出会ったとき、大事なことに気づく
人を責めるのをやめたとき、大事なことに気づく
失敗し、失望したとき、大事なことに気づく
違う道を選んだ時、大事なことに気づく

いつも心を開いていたい
いつも耳を澄ましていたい
そうすれば
あなたは気づく
あなたは出会う
ほんとうの自分に
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しんしんと雪が降り続いています。みなさんも「天使の囁き」と出会えたらいいですね。是非出会えることを願っています。