せつない別れ

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次々とキアゲハが羽化しています。さなぎの背中がパカッと割れて縮んでいた羽が出て来ます。その後時間をかけて体液を流して羽を伸ばすそうです。

この子に出会うまで、脱皮など簡単な思っていました。かごにぶら下がっている時からこの子の前の羽がいつまでも伸びません。やっと床に降りたのですがまして後ろの羽が小さく、さなぎの時のままです。成長不良か脱皮の失敗なのでしょう。しかし、元気にかごの中を羽を動かす仕草を繰り返しピョンピヨンと飛び回っています。

綿に砂糖水を溶かしてあげました。花壇から花を摘んでまわりに敷いてあげました。朝、出勤前に声をかけると羽をパタパタ動かします。気のせいか私達の声が聞こえているようです。

3日目の朝、声をかけると軽く1回羽を動かして動かなくなりました。
「空を思い切りとびたかったね。花の蜜をたくさんすいたかったね」と家内は花壇のオルラヤの根元にそっと埋めていました。やりきれない悲しみで胸がいっぱいになりました。